肺胞低換気症候群(指定難病230)

肺胞低換気症候群(指定難病230)

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肺胞低換気症候群(はいほうていかんきしょうこうぐん)とは、指定難病告知番号230の、呼吸器系疾患に分類された疾患です。

肺胞低換気症候群の特徴と概要

肺の働きは、空気中の酸素を取り入れ、体の中で産生された二酸化炭素を排出することです。健康な人が呼吸をする時には、延髄にある呼吸中枢(脳の中の一部です)から呼吸をしろという命令が出て、その結果横隔膜などの呼吸筋が働き、息を吸ったりはいたりができます。
一回の呼吸で吸う息の量を一回換気量といい、「一分間の呼吸数」×「一回換気量」が一分間当たり、どのくらい息を吸ったりはいたりしているかになります(「分時換気量」と言います)。分時換気量のうちガス交換に有効な肺まで到達し、酸素の取り込みと二酸化炭素の排出(ガス交換)に役立っている換気量が「肺胞換気量」です。この部分の肺胞には、身体の多くの組織で産生された二酸化炭素などを含む静脈血が流れこみ、体外に二酸化炭素が排出されます。
上気道(鼻、咽頭)、および気管および太い気管支の下気道の部分ではガス交換はなく、この部分は二酸化炭素の排出に役立たないので「死腔換気量」といいます。分時換気量から死腔換気量を差し引いたものが、肺胞換気量となり、二酸化炭素の排出を行います。この肺胞換気量が低下すると二酸化炭素の排出が少なくなり、動脈血中の二酸化炭素分圧が増加します。
この病気(肺胞低換気症候群)では、二つの種類(フェノタイプAとフェノタイプB)があります。フェノタイプAでは肺の構造は正常である(肺は壊れていない)にもかかわらず肺胞換気量が低下し、動脈血中の二酸化炭素分圧が高くなり、肺胞低換気になります。正常者では動脈血中の二酸化炭素の分圧は40mmHgですが、この病気では少なくとも45mmHgを超えてきます。肺の構造は正常であるので、肺活量などの肺機能検査では異常はありません。また、大きな呼吸を意識的に続けることにより、動脈血中の二酸化炭素分圧は正常値に近づきます。したがって、呼吸中枢の呼吸をしなさいという命令(呼吸ドライブ)が(特に夜間睡眠中に)少ないことが病気の原因と考えられます。
フェノタイプBでは肺活量の低下や、睡眠関連呼吸障害(睡眠時無呼吸を含む睡眠中の呼吸障害)が合併していますが、合併している疾患(例えば、通常の睡眠時無呼吸症候群)に比べて、動脈血中の二酸化炭素の分圧が異常に高い場合で、原因は不明ですが呼吸を調節する機能に異常がある方々です。
睡眠中にはさらに呼吸ドライブが健常人に比較して低下して、換気量が一段と低下するなどの呼吸異常があり、動脈血中の酸素分圧が低下します(フェノタイプAとBを鑑別する一つの方法に、ポリソムノグラフィー(PSG)という脳波、呼吸運動、血液中の酸素のパラメータなどを連続的に測定する夜間睡眠中の検査があります)。
呼吸ドライブを低下させるような鎮静剤・睡眠薬などは服用していないこと、換気量の低下する脳の病気、神経や筋肉の病気、肺の病気、睡眠時無呼吸症候群などがないことが診断基準となります。但し、肺の病気や睡眠中の呼吸異常があっても、通常のこれらの病気に比べて、動脈血中の二酸化炭素分圧が非常に高い時には、フェノタイプBの合併を考慮する必要があります。

詳しくは下記のリンクをご覧ください。(難病情報センターへジャンプします)

肺胞低換気症候群(指定難病230)

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